今回は教育費以外の子供にかかる費用を確認してみます。
AIU保険会社による調査で、子供が22歳までにかかる教育費以外の養育費は1,640万円という試算があります。
やっぱり子供1人育てるのには、こんなにお金がかかるのか!
でも、本当にこれだけの費用が必要なのでしょうか?
兄弟がいたら、この倍・3倍のお金がかかるの?
そんなにお金がかかったら、子供育てるハードル高すぎない??
今回は子供育てるために必要な費用(養育費)について、検証してみたいと思います。
①子供に関する教育費について確認する
②子供を育てるために必要な費用(養育費)について確認する ⇦ 今回の記事
AIU保険会社の試算 養育費 1,640万円の内訳は…?
AIU保険会社の試算 養育費1,640万円の内訳は下記の通りです。
参考までに1年当たりの金額も計算しました。
厳密には食費やお小遣い等は小さい時は少なく成長するに従って多くなっていきますので、あくまで参考値です。
項目 | 金額 | (1年当たりの金額) |
---|---|---|
出産・育児費用 | 約91万円 | — |
22年間の食費 | 約671万円 | 30.5万円 |
22年間の衣料費 | 約141万円 | 6.4万円 |
22年間の保健医療・理美容費 | 約193万円 | 8.8万円 |
22年間のおこづかい額 | 約451万円 | 20.5万円 |
子供の私的所有物代 | 約93万円 | 4.2万円 |
何だか全体的に高い印象…。
各項目の内訳がわからないけど、実態に沿ってる??
例えば、医療費については、多くの自治体で子供の医療費は助成があります。助成期間や所得制限等、条件は自治体によって異なりますが、毎年88,000円は多すぎると感じます(そこに理美容費が追加されたとしても…)
おこづかいの金額についても、月額に割り返すと、約17,000円。純粋なお小遣い以外の支出が含まれているにしても高すぎる印象です。
各項目について、他の指標や調査がないかもう少し検証してみたいと思います。
子供がいる世帯と子供がいない世帯の家計を比べてみる。
内閣府のHPで子供がいる世帯の消費支出金額のデータがあります。
このデータは子供の年齢別に各費目の支出金額を表しています。
これを子供のいない世帯と比較してみましょう。
(子供がいない世帯のデータは、子供あり世帯のデータと調査年が異なります。大きく異なることはないと思いますので、今回はこのまま比較しています)
子供の年齢別生活費を確認
上記のグラフは、世帯全体の支出金額です。
なお、各々の合計金額は下記の通りです。
(単位:円/月) | 月間支出金額 | 子供なし世帯との差額 =養育費(月額)① | 養育費(年額) (①✖️12) |
---|---|---|---|
子供なし世帯 | ¥278,231 | — | — |
子供 0~2歳 | ¥271,240 | ▲¥6,991 | ▲¥83,892 |
子供 3~5歳 | ¥266,057 | ▲¥12,174 | ▲¥146,088 |
子供 6~11歳 | ¥277,517 | ▲¥714 | ▲¥8,568 |
子供 12~14歳 | ¥285,363 | ¥7,132 | ¥85,584 |
子供 15~17歳 | ¥306,891 | ¥28,660 | ¥343,920 |
子供 18~21歳 | ¥338,487 | ¥60,256 | ¥723,072 |
この結果を見ると、子供が小学生までは子供がいる世帯の支出は、子供なし世帯よりも支出が少ない結果となっています。
各項目ごとに比較すると、子供あり世帯が子供なし世帯を上回る項目は当然ありますが、全体としてはマイナスになっています。
この金額には教育費は含まれていませんので、このマイナス分は教育費など将来に向けた貯蓄にまわしていると想定されます。
一方で、子供が高校生以上になると、子供なし世帯と比べて大幅に支出が増加しています。子供用の食費や通信費、交通費等の負担が大きくなってきます。
子供あり世帯の支出ー子供なし世帯の支出 = 養育費
さて、この調査結果より、子供がいる世帯の支出から子供がいない世帯の支出を引いた金額を養育費として考えると、子供を育てるために必要な費用は下記の通りです。
▲83,892円✖️3年間(0~2歳)
+ ▲146,088✖️3年間(3~5歳)
+ ▲8,568✖️6年間(6~11歳)
+ 85,584円✖️3年間(12~14歳)
+ 343,920円✖️3年間(15~17歳)
+ 723,072円✖️4年間(18~21歳)
=3,439,452 円
これにAIU保険会社の試算と同様に出産・育児費用を加えます。
育児費用の内容がよくわからないのでこちらの金額はそのまま91万円とします。
3,439,452円 + 910,000円 = 4,349,452円
AIU保険会社の試算の1/3以下!!
かなり少ない金額になった…。
子育て世代がもらえる手当や給付を確認しよう!
上記の通り、子育て世代の支出を確認しました。
一方で子育て世代に支給される手当もあります。
- 出産一時金 ・・・ 最大42万円
- 児童手当 ・・・ 合計:198万円 (3人目や所得制限がある方以外)
この金額を上記の養育費合計から、差し引くと実質負担額は下記⏬の通りになります。
⇨必要養育費: 1,949,452円 (1人あたり)
まとめ 子供を育てるためには1,100万円〜1,900万円が必要
今回、養育費について調べて、わかったことは…。
やっぱり子育てはお金がかかるけれど、他の支出を抑えてやりくりしているのが実態なんだ
この家計だと、生活が苦しい・お金が足りない・本当はもっと子供にお金をかけたいというのが本音かもしれません。
ただ、1,640万円は教育費以外の必要な費用としては、多めに見積もっている印象です。
この試算は保険会社による試算です。
保険会社は保険商品を買ってもらうことが目的ですので、見方を変えてリスクを大きく見せていた側面があるのかもしれません。
子供を育てていくためには、当初の想定よりは少ない金額で可能だという試算になりました。
前回記事の教育費と合算すると、子供1人を育てるために費用として一般的な指標になるのではないかと思います。
各家庭によって状況は様々だと思います。
今回の金額については、1つの試算として参考にしていただければ幸いです。