2021年2月25日。
4年前の今日、私は子宮を全摘出する手術を受けました。
子宮だけでなく、子宮まわりの組織やリンパ節、膣なども取り除く大手術でした。
病名は子宮頸がんでした。
私の場合は早期発見だったため、卵巣や卵管は残せましたし、手術のみで抗がん剤などの追加治療もありませんでした。
今は半年に1回、経過観察のために通院している以外は、手術前と同じような生活を送れています。
とはいえ、がんと診断された当時は、死んでしまうの?とか、これからの生活どうなるの?と、わからないことばかりですごく怖かったです。
手術後も身体的にとても辛かったし、しばらく排尿障害が残り今後の生活も不安になりました。
子宮がなくなった後も、もう妊娠ができないことにモヤモヤする日々もありました。
できることなら、こんな風に子宮頸がんで苦しむ人が1人でも少なくなったらいいなと思い、
毎年2月25日は私の経験を記事にしています。
子宮頸がんは予防が可能ながんです。
ワクチンもありますし、検診も短時間で終わります。
なので、少し行動をするだけで、子宮頸がんになる確率をグッと下げることができます。
私の経験談を読んで、行動を起こしてくれる人がいたらいいなと思っていますので、
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
がん診断から手術までの経緯
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2020年、私は育休中でした。
育休中は会社の健康診断を受けられないため、市の無料検診で子宮頸がん検診を受けました。
今までも毎年、受診してきた検診です。
いつも通り、何もないだろう。と思いながら受けた結果、
「再検査を受けてください」
と病院から電話がありました。
その際も大したことはないから、念の為と言われていたので、この時点でも「そういうこともあるのね」くらいに思っていました。
特に何の覚悟もなく再検査の結果を聞きに行った日から、怒涛の日々でした。
- 1月8日再検査を受ける
大したことじゃないから、念の為と医師から説明される
- 1月20日再検査結果をききに行く
手術が必要。大きい病院に行ってね。と紹介状をもらう
- 1月20日そのまま大きい病院を受診
がんだという体で話がどんどん進む。
「がんなんですか?」と聞くと、「そうです」と言われ
自分ががんなんだとようやく認識 - 1月22日大学病院を受診
妊孕性(妊娠の可能性)を残すなら、この病院と言われた大学病院を受診。
そのまま、この大学病院で治療を受けることに。 - 1月27日CT、PET検査など
がんの状態を色々検査
- 2月3日MRI検査
転移なし。手術可能と判定。
- 2月23日入院
- 2月25日手術
- 3月9日退院
もっと早く退院したかったが、自己導尿のマスターが退院の条件で、
術後12日でようやく退院 - 3月24日手術時の病理検査結果を聞く
追加治療なしが確定
再検査の結果を聞いて、手術するまで約1ヶ月。
本当にバタバタしていました。
検査などで入院前は週に1回通院。
入院期間中の息子のことと、自分の入院の準備。
やることも多かったですし、自分の気持ちも落ち着かず本当に慌ただしかったです。
がんの診断を受けて思ったこと
最初にがんと診断されて思ったことは、単純に
怖い
でした。
私は毎年会社の健康診断で子宮頸がん検診を受けていました。
検診を受けていたのにがんになるなんて、とてつもなく進行が早いがんなのではないか?
抗がん剤治療も必要なんだろうか?
4月から復職するつもりだったけれど、予定どおり働けるんだろうか?
と、色んな不安が一気に押し寄せてきました。
その後、自分の病状については主治医の先生の話を何度も聞いて、だいぶ落ち着いて受け止められるようになりました。
となると、次に心配になるのは入院中のことでした。
入院したとき、息子はまだ9ヶ月で、授乳中でした。
保育園に入る前までに断乳しようとは思っていました。
それでも、入院前に強制的に断乳さえざるを得ない状況になってしまったことは残念でした。
また、今まで一晩だって離れたことはなかった息子と2週間以上離れることがとても不安でした。
(当時は息子が精神的に不安定にならないかなと心配していましたが、どっちかというと私の方が精神不安定でした)
どれだけ言葉を理解しているかはわかりませんでしたが、入院の1週間前から
「お母さんは病気を治すために、しばらく病院にお泊まりしてくる。
病気を治してから、帰ってくるね」
と繰り返し伝えていました。
手術後から現在まで
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手術を無事終えたあとは、身体的にとても辛かったです。
手術の傷は痛いし、ずっと38度を超える発熱。
さらに、いろんな管に繋がれたままで寝返りも満足に打てず、眠れない。
全ての管が取れたのが術後7日目。
そこから排尿のトレーニングが始まりましたが、自力ではほとんど排尿できず、
自己導尿が必要となってしまいました。
主治医からは1年もすれば必ず元通りになるから。と言われていましたが、
そのときは導尿を卒業できる気がまったくせず
一生、導尿しなきゃいけないのかな
介護してもらうときに導尿までお願いしなきゃいけない
と、かなり気分は落ち込んでいました。
結果、退院後3ヶ月で自己導尿の回数は徐々に減り、退院後約半年で自己導尿は卒業できました。
今は子宮がないので生理が来ず、もう妊娠できないことを除けば、
完全に手術前と同じように生活しています。
なので、普段はがんを経験したことも忘れています。
ただ、ふと「がんにならなければ、もう1人子どもを産めたかな」とか「息子に兄弟がいたらよかったな」と思うことがあります。
もうどうしようもないことだとわかっているんですけどね。
結局、何が言いたいかと言うと
私ががんと診断されてからのことを長々と文章にしました。
早期発見で今は手術前と変わらない生活ができているけれど、
当時はかなり怖くて、不安でした。
母親に検査結果を電話で伝えたとき、母親の声は震えていました。
手術中も手術後も夫は心配でたまらなかったと言っていました。
本人だけでなく、家族や周りの人たちもかなり精神的に負担だったと思います。
中々文章では伝わりきらないと思いますし、文章を読むだけでは自分ごととして捉えることは難しいと思います。
それでも自分のように辛い思いをする人が1人でも減ればいいなと思って、
この文章を書いています。
子宮頸がんは予防方法がある
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子宮頸がんは20代後半から増え、30代後半・40代の患者が多いのが特徴のがんです。
ちょうど女性の出産年齢や小さい子供を育てる年齢にあたるので、マザーキラーとも呼ばれています。
私が入院中、向かいのベッドに入院されていた子宮頸がんの患者さんも3歳のお子さんがいる30代の方でした。
若いから大丈夫🎵
なんてことはありません。
むしろ、若いうちにがんになる方が生活や仕事、色んな面で影響が出ます。
なので、子宮頸がん経験者としてはできることはやって欲しいと心から思っています。
その1つが定期的な子宮頸がん検診の受診です。
20歳以上であれば、公費で補助がある自治体も多いです。
内診台に抵抗がある人もいると思いますが、検査自体は一瞬で終わります。
個人的には乳がんのマンモグラフィー検査や胃カメラ、大腸内視鏡検査と比べると苦痛の少ない検査だと思っています。
子宮頸がんは、原因となるHPVウイルスの感染から何年もかけてがんになると言われています。
なので、毎年検診を受けていれば、前がん状態で治療することも可能です。
子宮を摘出せず、妊娠・出産にも支障がない可能性も高まります。
そして、もう一つの予防方法がHPVワクチンの接種です。
子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)による感染です。
その感染を防ぐワクチンが小学校6年生から高校1年生の女の子は公費(無料)で受けることができます。
対象年齢の子はまだ学生なので、実際に接種を決めるのは保護者の方になるかと思います。
お子さんの将来の可能性を狭めないためにも、前向きに接種を検討して欲しいと願っています。
と、長々書いてきました。
このブログに対して影響力がないこともわかっていますが…。
タイトルの通り、子宮頸がんの経験者の話を聞いて、検診を受けてくれたり、HPVワクチンの接種を前向きに検討してくれたら嬉しいなと心から思っています。
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