「お前、言っていることとやっていることが矛盾しているぞ」
上司との雑談中、そんなふうに言われました。
(口調はパワハラ風ですが、優しい上司です)
「やっぱり同性は同性に厳しいんだな」とも。
自分では全く意識していなかったことなので、衝撃を受けました。
むしろそうならないように意識してきたつもりだったのに…。
男性とか女性とか関係なくフラットでいたいと思っていたはずだったのに、
自分の無意識の行動に気付かされたお話です。
新卒採用の一次面接をした話
私が新卒採用の一次面接で学生を面接した時のことです。
面接を担当したのは男子学生3人、女子学生2人の計5人です。
当社は女性の総合職が少なく、個人的にはもっと増やすべきだと思っています。
数が増えることで、待遇であったり他の社員の接し方であったりプラスに変化することは多いと考えているからです。
ちなみに、私が「女性の総合職を増やしたい!」と言っていることを上司は承知しています。
(上司は人事部の管理職も兼ねているので)
いざ、面接当日。
やはり個人的には女子学生の面接の方が気合が入ります。
ぜひ当社に入社してほしい!と。
結果、面接を終えて合格としたのは男子学生2名だけでした。
女子学生は2名とも落としてしまいました。
この結果は一緒に面接をしていた人事担当の方とも一致していましたし、私も納得の結果でした。
その面接から数日後、お昼休みに上司と話しており、面接の話になりました。
女子学生も2人いただけど、2人ともNGにしました。と。
「なんでや?」聞かれたので
「ここが不安だった」とか「ここが当社には合わないと思った」とか
と理由を伝えました。
そうしたら、冒頭の言葉をいただきました。
「言っていることとやっていることが矛盾している」
「同性は同性に厳しい」
と。
私(女性)は女性に厳しいのでしょうか?
私(女性)は女性に厳しい?
私は改めて考えてみました。
「女性の総合職は増やしたいけど、誰でもいいわけではない」
「こういう人がいいなという理想が比較的はっきりある」
今回の学生はその理想から離れていたので、面接ではNGの結果を出しました。
でも、冷静に考えるとあくまでそれは「私の理想」との比較であって、客観的な視点が抜けていたのかもしれないと考え直しました。
女性が少ない職場で働いていくためにはどんなことが必要か?
どうすればうまくやっていけるか?
常々考えていることでもありますし、自分の経験で得た成功体験も失敗体験もあります。
さらに自分のなりたい姿とか理想もあります。
でも、それはあくまで1つの解であって、絶対的な解ではありません。
自分はこの会社で長く働いているから、自分が正解!的な驕りがあったのかもと反省しました。
この自分の考え方を基準に判断したことが、客観的に見たときに「厳しい」判断だったのかもしれません。
人は自分と同じカテゴリーの人間に厳しい?
今回の面接を振り返ってみると、男子学生と比較して、女子学生の方が厳しい目線で見てたなと改めて認識しました。
その理由は自分と同じカテゴリーだからかなと思います。
自分と同じ立場であれば、自分の考えもあるし、過去に色々経験して得た知見もあります。
(知見と呼べるほど大したものではないかもしれないけれど…)
自分の目指す姿や理想の姿も当然ある。
だから、他者を見たとき、自分とも重ね合わせてしまうし、自分の理想とも重ね合わせてしまう。
そうすると他者に対する基準は「自分」になってしまう可能性が高い気がします。
さらに同じカテゴリーなのに自分と違う人に対して、「理解できない」とか「自分はうまくいかないのになぜあの人はうまくいくの?」という気持ちを持ってしまうと敬遠したり、拒否したりすることもあるかもしれません。
違うカテゴリーの人なら、もっと素直に受け入れられるのに。
女性は女性に厳しいは事実だと思う
男性より女性に対する要求事項の方が多かった(女に厳しかった)
これは面接を終えて、上司と話をして初めて気づいた事実でした。
実際、このことを面接前に気づいていたとしても、面接の結果が変わらなかったかもしれませんが…。
私は「女性総合職を増やしたい」という希望と「女性を見る目が厳しい」ということが矛盾するわけではないと思っています。
ただ、自分の勝手な理想を押し付けるのは絶対に違うということは肝に銘じておかないといけないなと。
「こういう点が不安に感じるけど、こういうフォローをしたら活躍できると思う」
そういう前向きなフィードバックが本来、私がすべきことだった思います。
面接を受けてくれた学生に対しても、会社に対してもプラスになります。
今回、上司は雑談中にただ思ったことをそのまま言っただけだとは思いますが、個人的には自分の言動を見直すいいきっかけになりました。
普段結構ぼーっと生きているので、こういうふうに言ってくれる方が周りにいるということはありがたいことだなと思った出来事でした。
ランキング参加中です。ポチッと応援いただけると嬉しいです。