政府が考える異次元の少子化対策って…何だか的外れになりそう
子育て世帯はお金が給付されれば嬉しいけど…根本はそこじゃないかな
岸田政権が「異次元の少子化対策」を実行すると表明してから、少子化対策について色んな議論が起こっています。
児童手当の所得制限撤廃や子育て世帯への給付、保育サービスの実施など。
確かにどれも必要かもしれないし、効果があるかもしれない。
少子化の根本の解決のために必要なことはお金ではない。と私は感じています。
というと誤解を招くかもしれません。
お金は重要なファクターですが、お金を配ること・給付金額を上げることで少子化の解決は難しいと思います。
個人的な考えで十分偏っていることは承知の上ですが、異次元の少子化対策に必要なことは
異次元の働き方改革
だと私は考えています。
男女問わず、育児と仕事が両立できる
働きたい人が働ける
働いた分だけ報われる
そんな社会になれば、自然と子どもを望む人も増えるのかなぁと思っています。
今回は少子化の原因について、私の考えをつらつらと書いていきます。
少子化について興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
今回の記事はこんな方にオススメです。
- 少子化対策というと、すぐ給付の話が出てくることに疑問を感じている方
- 少子化の原因って結局何なのか気になる方
- 現役子育て中のワーママが考える少子化対策を知りたい方
そもそも少子化の原因は何なのか?
少子化対策を考えるためには、まず原因は何なのか?を考えてみたいと思います。
少子化社会対策白書より
内閣府の少子化社会対策白書の中に「理想の子ども数を持たない理由」というアンケートがあります。
そもそも子どもを持たない考えの方もいるので、少子化の全ての理由を網羅しているわけではありませんが、参考までにこのアンケートの回答を見てみたいと思います。
年齢ごとにバラつきはありますが、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が一番多い回答でした。
続いて、「高年齢で生むのはいやだから」「欲しいけれどもできないから」の回答が多くなっています。
他にも「育児の心理的、肉体的負担に耐えられない」や「家が狭いから」などの回答がありますが、これらの回答を集約すると次の3つの問題に集約されるのではなないかと思います。
- お金の問題
- ワンオペの問題
- 晩婚化の問題
確かにどれもなるほどと思う理由です。
政府の子育て対策もこの問題を解決すべく給付金を配るとか保育サービスを充実させるとか対策を考えているのかなと思います。
これらの理由、確かにそうなんだけど。
直接的な原因はこれなんだろうけど…これだけじゃないと思うんです。
ということで、もう少し子育て世帯の現状を考えてみたいと思います。
ワーママが考える少子化の原因とは?
今の日本で子育てをしようと思ったら、1人が長時間労働+もう1人が家事育児全般を担うっていう前提の社会システムであったり、働き方が基本です。
それで、家事育児を担っている方が働くかどうかはあくまでオプション。
オプションなので特に支援もない。
会社や同僚に理解があればラッキー。
極端に言えば、日本の子育てはこんな状況なのかなと思います。
さらに言えば、長時間働くのは男性、家事育児を担うのは女性でしょ!?っていう固定観念もある。
これでバランスがとれてて、夫婦が納得していれば問題ないし、たぶん昔はこれで納得感のあった家族は多かったと思います。
でも、今は妻が専業主婦だからといって、育休中で仕事をしてないからといって、夫が仕事ばかりだと不満を持つ妻は多いです。
仕事ばかりで子育てに関われないことを不満に思う夫も増えているでしょう。
つまり、日本の今の状況を単純に言ってしまうと、
男性は子どもが産まれても生活を変えられない。
女性は子どもが産まれたら生活を変えなければいけない。
個人的にはこんな社会の在り方が少子化が進む原因ではないかなと思います。
少子化解消のカギは「働き方改革」
男性は子どもが産まれても生活を変えられない。
女性は子どもが産まれたら生活を変えなければいけない。
そんな社会の在り方を変えるためには、日本人の働き方を大きく変える必要があると思います。
子どもが生まれたら、男女とも生活が変わるのはある意味当然です。
小さな命を守る責任があるのですから。
でも、変わるところと変わらないところ。
そのバランスを各個人が望むようにとれる社会が理想だなと思います。
そのために必要なことを考えてみたいと思います。
男女問わず、育児と仕事の両立ができる
共働きが増えてきて、仕事と育児を両立するワーキングマザーは増えています。
それに伴い女性が子育てをしながら働くことに対する理解や支援は、会社によりますが、広がりつつあるように感じます。
それ自体はありがたいことですし、もっと広がってくれたらいいなと思います。
でも、これだけでは不十分なんです。
子どもの送り迎えのために時短勤務を選択する
子どもが体調不良のときは早退する
子どもの行事のために有給休暇を使う
これ全てが女性だけでいいんでしょうか?
恐らく制度的には男性でも女性でも差はないのかもしれません。
でも、男が子育てのために仕事を調整することはまだまだ一般的ではないですし、会社でいい顔をされないことも多い。
「子どもが生まれたのなら、これまで以上に仕事に励んで稼がないと!」
年配の上司達にはこんな考えの人が多いことも確かです。
でもそんな考えはもう古いんです。
そもそも仕事を調整しなければいけない場面は、子育てだけではありません。
自分が病気になるかもしれない。
親の介護が必要になるかもしれない。
誰かが何かの理由で、急に仕事を抜けなくてはいけなくなる可能性を考慮した人員配置や仕事の仕組み作りが必要だと思います。
男性でも女性でも性別に関係なく、育児と両立できる働き方が実現できれば、夫婦の片方に育児の負担が偏るワンオペの問題は解消されていくのではないでしょうか。
働きたいときに働ける
子どもが小さいうちは子どもと一緒にいたい
そう考える人もまだまだ多いと思います。
一方で子育てが少し落ち着いて、将来の出費に備えてまた働こうと思っても再就職が難しいことも現実です。
再就職が難しいなら、小さいうちは無理してでも働き続けなければいけない。
再就職できたとしても時給の低い仕事ばかり。
本当は今、働きたくないけど、働かなければいけない
今もっと働きたいけど、働く場がない
そんなジレンマに悩んでいる方も多いと思います。
数年ブランクがあったり、子育てのためフルタイムで働けなかったりすることに対して引け目を感じている方も多いでしょう。
働きたいと思ったときに、働ける。
そういう社会になればお金の不安も解消に向かっていくのかなと思います。
企業も子育てによるブランクがある人や働く時間に制限がある人を積極的に雇って欲しい
それが一部の大企業だけでなく、いつでも再就職できる社会が当たり前になればいい
理想論だとは思います。
でも、子育てに集中したいときは思いっきり子育てに振り切る。
お金が必要なら、働く。
働きたいときに働ける。
そんな社会になればお金に対する不安も減って、子育てに希望を感じられるのではないかなと思います。
働いた分だけ報われる
子育て中はどうしても時間が制限されてしまうことが多くあります。
そのために働いた分の正当な給料が貰えない、正当な評価が受けられない。
成果は上げているのに出世が遅れる。
制度面の問題もあるかもしれませんし、そもそもの考え方(評価方法)の問題もあるかもしれません。
仕事以外のこと(育児など)に1度、生活の重点を移してしまうと、もう出世は望めないというのがザ日本の会社のイメージなんです。
子育て中の人を優遇しろと言っているのではありません。
子育て中であってもそうでなくても、仕事中は全力で仕事をしているのです。
仕事中の成果は正当に評価され、報酬に反映される。
会社での出世をとるか、子育てをとるか
今はどちらかを選ばなければいけないような会社が多いのではないでしょうか。
時短勤務でも、子どもの都合で早退することがあっても、成果を出せば評価される。
そんな当たり前のことが当たり前に行われる社会であればいいなぁと思います。
子育てでキャリアを中断したくないと考える女性や育児に重点をおくと将来の出世に響くことを恐れる男性がいなくなれば子どもをもっと望みやすい社会になるんじゃないでしょうか。
まとめ〜理想論だけど、希望がほしい
結局、少子化対策に必要なことは働き方改革も含めた社会全体の意識改革なんだと思います。
政府が少子化対策として、給付金を配ったり、保育サービスを充実したりしても、それは子育て世帯しか関心を持ちません。
少子化を止めるためには、社会全体が変わらないと難しいと思います。
いくら子育て世帯にお金を配っても、社会は変わりません。
(子育て世帯はお金をもらえれば、もちろん嬉しいですけど…)
働き方改革というと、どうしても企業が主体になって行動していくイメージがあります。
実際に子育てしやすい企業はあると思いますし、以前より増えていると思います。
でも、それが一部企業の努力だけで成り立つものではなく、企業のあるべき姿として定着するよう政府が後押ししてほしいと思います。
望む人が望むかたちで働ける。望むかたちで育児に携われる。
理想論ですよね。
けど、そんな社会になれば、未来に希望を感じて、子どもを持ちたいと思う人も増えるのではないかなぁと思います。