別居婚の場合、住民票はどうしたらいいんだろう?
週末婚の場合、一緒に住む場合と違って、何か手続きが必要なのかな?
今回は、こんな疑問にお答えします。
結婚のスタイルは多様化していますが、別居婚・週末婚を選ぶカップルはまだまだ少数派。
同居する場合と違う手続きが何か必要なのではないか?と不安になりますよね。
結論から言うと、特別な手続きは必要ありません!
- 婚姻届を提出 ⇨ 夫婦は同じ戸籍・本籍地に。
- 住民票はそれぞれの住まいで登録。別々で問題なし。
※改姓に伴う手続きは別途必要です。
今回は、別居婚・週末婚の住民票について、わかりやすく解説します!
今回の記事はこんな方にオススメです。
- 別居婚の場合、住民票はどうするのか疑問に思っている方
- 住民票を別々にするデメリットを知りたい方
- 週末婚で扶養に入れることはできるのか不安な方
”本籍”と”住民票”の違いを確認。
本籍地とは、戸籍を保管する役所がある場所です。
実際に住んでいる場所と一緒な人もいますし、違う人もいます。
一方、住民票は実際に住んでいる市町村におくことが多いです。
(単身赴任のお父さんや一人暮らしの学生さんは、住民票を移していないこともよくあります)
では、結婚した場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?
- 戸籍 ⇨ 婚姻届を提出すると、新しく作られる。
本籍も新しく決める。 - 住民票 ⇨ 同じ家に住んでいるので、同じ世帯として登録
ちなみに、戸籍とは家族を単位として作られる公文書です。
結婚するということ(法律的には婚姻という)は、新しい家族を作ること=新しい戸籍を作ることです。
本籍は戸籍がある場所なので、1つの戸籍に対して1つの本籍地しか登録できません。
夫婦は同じ戸籍に入っているので、本籍は2人とも同じです。
なるほど。
じゃあ、別居婚の場合はどんな手続きが必要なの?
- 戸籍 ⇨ 婚姻届を提出すると、新しく作られる。
本籍も新しく決める。 - 住民票 ⇨ 別々に住んでいるので、住民票も別々で登録(別々の世帯になる)
戸籍は結婚する際に新しく作り、本籍も新しく決める手続き(=婚姻届の記入・提出)は同居している夫婦も別居婚(週末婚)夫婦も変わりません。
※婚姻届に「同居を始めた日」の欄がありますが、別居婚・週末婚の場合は空欄で問題ありません。
住民票については、引っ越しした場合は移動の手続きが必要です。
- 2人で新居を借りて引っ越す場合 ⇨ 夫婦2人とも住民票の移動手続きが必要。
- どちらかの家に引っ越してきて、同居する場合 ⇨引っ越してきた方が住民票の移動手続きが必要
- 独身時代と同じ住所に住み続ける場合(=別居婚の場合) ⇨住民票の手続きは不要
- 結婚を機に引っ越した場合 ⇨ 別居婚でも住民票の移動手続きが必要
住民票は同居か別居かに関わらず、引っ越した場合に手続きが必要です。
別居婚・週末婚の場合は、独身時代と同じ場所に住み続けることが多いと思います。
その点では手続きが一つ少なくて済むので、楽かもしれません。
別居婚夫婦が住民票を別々にしておくメリットは?
本来住民票は実際に住んでいる場所に置くものなので、別居婚・週末婚夫婦が別々に住民票を置くのは自然なことです。
改めて、それぞれの居住地に住民票を置いておくメリットを確認したいと思います。
結婚した時の手続きが1つ減る
同居をする場合、必ずどちらかは住民票の移動手続きが必要です。
役所での手続きは、平日しか受け付けていないところも多く、なるべく最小限に済ませたいですよね。
また、住所を変更したことによって、免許証の住所変更手続き・クレジットカードやその他住所の登録がある様々なサービスの変更手続きが必要になります。
引っ越しをしなければ、それらの煩わしい手続きは一切不要です!
住民票がある場所でしかできないことがある
住民票がある場所でしかできないことや受けられないサービスがあります。
- 自動車運転免許の更新、パスポートの更新
- 選挙権
- 宅配買取サービス(BOOK OFFやブランディアなど) など
頻繁に利用するものではないですが、不便を感じてしまう方はいるかと思います。
また、公立図書館での本の貸し出しも住民票がない場所の図書館を利用しようとすると手続きが面倒なことが多いです。
別居婚・週末婚夫婦の住民票が別々で困ること
週末婚夫婦は、平日は別々でも週末は一緒に過ごすことも多いでしょう。
また、将来、どちらかの住所で同居したいと考えていることもあるかもしれません。
その場合、どちらかの住所で”住民票上は同居(同一世帯)”とすることも可能です。
通常、別居婚・週末婚は、住民票を別々に置くことが多いですが、住民票別々にした場合、何かデメリットはないのでしょうか?
住民票が別々で困ることについて確認していきましょう!
会社の福利厚生の対象にならないことも…。
結婚すると家族手当が貰えたり、社宅に入れたり、福利厚生の恩恵を受けられる会社も多いと思います。
会社のルールによりますが、同居していない(=住民票が一緒※ではない)と福利厚生の対象にならない場合もあります。
別居婚だと、これらの福利厚生は対象外ってことか…
(※)住民票が一緒とは、住民票上で同一世帯に属していることです。
会社によっては、同居が必須ではない場合も!
私は別居婚(=住民票が別)でも家族手当をもらえたよ
遺族基礎年金をもらう際の手続きが煩雑に…。
遺族基礎年金は、死亡した方に生計を維持されていた子を持つ配偶者もしくは子が受け取ることができます。(原則、子が18歳になった年度の3月31日まで)
「死亡した方に生計を維持されていた」の要件の1つに同居していること(=住民票上同一世帯になっている)があります。
別居していても仕送りしていたり、健康保険の扶養に入っていれば「生計を維持されていた」要件を満たせますが、その証明が必要になるため、手続きが面倒になってしまいます。
子どもができた場合は、どちらの住民票にするか選択が必要
子どもができた場合は、両親のどちらかの住民票に入れなければなりません。
同居の場合は、当然両親と同じ住民票になるので考える必要はありませんが、別居婚の場合は、ここで選択する必要があります。
また、出産・育児に関しては行政から様々なサポートがあります。
それらは住民票がある場所でしか受けられませんので、どちらの住民票がいいかを事前に検討しておきましょう!
- 母子手帳の交付
- 妊婦検診のチケット
- 両親学級
- 出産祝い(内容は自治体によりけり)
- 乳幼児検診
- 予防接種
- 認可保育園の入所(住民票以外の地域でも入所は可能だが、かなりハードルは高い)
住民票が別でも扶養はOK!
別居してても(住民票が別でも)、家族を扶養に入れることはできるかな?
今は共働きだし、扶養は関係ないけど…。
どちらかが働けなくなった時に、扶養に入れるかは知っておきたいな
別居婚や週末婚を選ぶ夫婦は、お互いを扶養に入れることは少ないかもしれません。
(共働きだと収入要件を満たせないことが多いため)
ただ、何かあった場合のために、扶養のルールは知っておいて損はありません。
結論を言ってしまうと、住民票が別でも配偶者や子供を扶養に入れることは可能です。
もう少し詳しくみていきましょう!
健康保険の扶養は?
健康保険において、扶養に入れることのできる人のうち、直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹は扶養の条件として、”同居”は求められていません。
つまり、別居婚でも配偶者は扶養に入れることはできます。
そして子供ができた場合、子どもも別居していても扶養に入れることが可能です。
※扶養に入るためには、収入要件を満たす必要があります。
ただ、国民健康保険に加入している場合は、注意が必要です。
国民健康保険は、同居・別居に関わりなく、扶養には入れないことは認識しておきましょう!
税金の配偶者控除・扶養控除は受けられる?
所得税や住民税には、”控除”という税金を調整する仕組みがあります。
その中で扶養している家族がいれば、その分税負担を軽減してくれるのが「配偶者控除」と「扶養控除」です。
配偶者控除・扶養控除とも「納税者と生計を一にしていること」が扶養の条件です。
つまり、別居婚でも税金の配偶者控除・扶養控除は受けられます。
※健康保険同様、収入の条件を満たす必要があります。
また、子の扶養控除は子どもの年齢条件もあります。
国民年金の第3号被保険者になれる?
第3号被保険者とは、会社員や公務員に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者のことです。(別途年収要件あり)
保険料は、配偶者(会社員や公務員)が加入している厚生年金や共済年金が負担してくれるので、第3号被保険者は支払いが不要です。
この第3号被保険者になる要件についても、同居・別居は問われません。
別居婚でも第3号被保険者になることは可能です!
まとめ〜別居婚/週末婚の住民票・手続き・扶養について
今回は、別居婚(週末婚)に関する手続きや住民票、扶養について解説しました。
もう一度、おさらいしましょう。
- 別居婚のための特別な手続きはなし。
- 住民票は別々でもOK。
- 住民票を別にするメリット
- ・住所変更の手続きが不要。
・住民票がある場所でしかできないことがある。
⇨実際に住んでいる場所に住民票がある方が便利。 - 住民票を別にするデメリット
- ・会社の福利厚生の対象外になる可能性がある。
・遺族基礎年金をもらう際の手続きが煩雑に。
・子供の住民票をどちらにするか考える必要がある。
- 別居婚でも扶養に入れることは可能。
※別途、年収要件を満たす必要あり。
手続きや扶養については、同居婚と大きな違いがないことがわかると思います。
もし、別居婚・週末婚が手続き的にハードルが高い??と思っている方がいたら、そんなことない!とお伝えしたいです。
別居婚・週末婚はまだまだ少数派で、経験者も少ないと思います。
今回、この記事で別居婚・週末婚の疑問が1つでも解消できたら嬉しいです。