毎日、仕事に家事・育児をこなし、いつの間にか「疲れが溜まっているなぁ」と感じることありませんか?
よく寝たはずなのに、疲れがとれてないなぁ
そう感じている方も多いかもしれません。
何かの病気ではないけど、疲れの症状が長期間続く状態がいわゆる「慢性疲労」の状態です。
では、なぜこんなに疲れが溜まってしまうのでしょうか?
もっとも問題なのは、「疲れていることに気付けない」状況が生まれていることです。
梶本修身「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」
今回は多くの現代人が感じている「疲労」についての本を紹介します。
梶本修身「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」
当たり前だと思っていた疲労対策がむしろ逆効果だったなんて!
やっぱり疲労回復に「睡眠」は大切なんだね…。
「疲労」って、とても身近なものだけど…深く考えたことはない。
今回は、「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」より、下記⏬について紹介したいと思います。興味のある方はぜひ、最後までご覧ください。
- 疲労の原因は何なのか?
- 世の中で信じられている誤った疲労対策
- 科学的に証明された疲労対策
今回の記事はこんな方におすすめです。
- 毎日忙しくて疲れが溜まっている方
- 何だか疲れがスッキリしない方
- 疲労とうまく付き合っていきたい方
「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」の著者は?
「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」の著者 梶本修身さんは、長く疲労について研究されているお医者さんです。
次に本の内容を紹介していきます!
疲労の原因は?疲労と疲労感の違いを知る。
まずは疲労について簡単に説明します。
ポイントは2つです。
- 疲労の原因はたった1つ
- 「疲労」と「疲労感」は別物。
疲労の原因は?
早速ですが、あらゆる疲労(デスクワークの疲れ、運動の疲れ、精神的な疲れ、眼精疲労など)の原因は、1つしかありません。
自律神経とは…
呼吸、心拍、体温、血液循環、消化吸収など生きるための様々な生理現象をコントロールしている、身体の「司令塔」です!
自律神経は、24時間365日休むことなく、身体のコントロールを行なっています。
身体に負荷がかかるような行動を取った際には自律神経は目まぐるしく働くことになり、その時間が長いほど、またその負荷が高いほど自律神経は疲弊してしまいます。
例えば、運動すると呼吸が早くなり、心拍が上がります。
それは自律神経がフル稼働し、身体をコントロールしているからです。
また、デスクワークでは集中して作業を行います。
集中力を高めているときほど、神経細胞ネットワークを活性化させるために自律神経が働いています。
でも、運動して疲れた時は、筋肉が疲れているんじゃないの??
自転車やジョギング程度の有酸素運動では、身体の筋肉にほとんどダメージがないという実験結果があるんだって!
筋肉にダメージはないとはいえ、有酸素運動をすると疲れます。
では、どこが疲れているのかというと「自律神経」が疲れているのです。
運動の疲れもデスクワークの疲れも同じ原因だとは思わなかった…。
「自律神経」は疲労について考える時のキーワードだね!
「疲労」と「疲労感」を何が違うのか?
次に本書のタイトルでもある「隠れ疲労」という状態がなぜ起きるのか?
それを紐解くために「疲労」と「疲労感」について、簡単に説明します。
- 疲労 = 「実際に溜まっていく疲れ」
- 疲労感 = 「脳というフィルターを通した感覚」
私たちの日常生活では、実際の疲れと脳が覚える「疲労感」が一致しないということが、よく起きているのです。
梶本修身「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」
このため、体が疲れているのに、疲れていると認識できない状態 本書のタイトルでもある「隠れ疲労」の状態になってしまうのです。
この状態が悪化すると、過労死や突然死に繋がってしまいます。
体が疲れているのに、どうして疲れていることを認識できないんだろう?
身体が疲れたとき、脳には「疲れたよ」という警告が送られます。
しかし、快感物質や興奮物質(ドーパミンなど)が分泌されている状態だと、それらが身体からの「疲れた」の警告をかき消してしまうのです。
例えば、ランナーズハイの状態はわかりやすいと思います。
体に負荷をかけて疲れているはずなのに、気分が高揚していくらでも走れる気がしてしまいます。
実際、過労死してしまった方も、本人が直前まで「疲れた」と認識していない場合も多いそうです!
疲れていたり、睡眠不足であったりしても、集中して作業をしていると「あれ?意外と疲れていないな」と感じてしまうことが私はよくあります。
でもそれは、「疲労がマスキング」されているだけで、実際に体は疲れているのです。
次に、疲労を感じた時にどうするか?疲労対策について見ていきたいと思います。
世の中で信じられている間違った疲労対策
疲労の研究は意外と歴史が浅く、国が本格的に取り組み出したのは30年ほど前。
そのため、昔から言われているような疲労対策は科学的根拠がなく、誤っているものも多いそうです。
その代表例が次のとおりです。
- 栄養ドリンクで疲れがとれる
- 熱い温泉にざぶんと浸かって、疲労回復
- 運動で仕事の疲れをリフレッシュ
- 疲れた日には、うなぎや焼肉でスタミナ回復
少し、詳しく見ていきたいと思います。
栄養ドリンクでは疲れがとれない?
残業時や長時間車の運転をする際、栄養ドリンクに頼る方は多いかと思います。
しかし、栄養ドリンクには疲労回復の効果は一切ありません。
(恐らく「疲労回復効果あり」と明示したドリンクもないと思います)
それにも関わらず、疲れが吹き飛んだ気分になるのは、なぜでしょうか?
それは、栄養ドリンクに含まれる微量のアルコールとカフェインによる覚醒作用のためです。
つまり「疲労感」を軽減しているけれど、「疲労」には全く効いていないのです。
むしろ、体は疲れているのにそれを誤魔化している状態で、「隠れ疲労」の原因にもつながってしまいます。
熱い温泉はむしろ疲れる?
日本人の大好きな温泉も疲労対策としては逆効果になってしまうことがあります。
熱いお湯に入ると、脳に快感物質が分泌され、その作用で気持ちよくなります。
一方で、熱い温泉やお風呂は、体温が一気に上がるのを抑えようとして汗をかくなど、自律神経に負担がかかってしまいます。
自律神経への負担をなくすためには、ぬるめの温度(40度以下)に抑えておく方がベターです。
仕事の疲れは運動ではリフレッシュできない?
前にお伝えした通り、疲労の原因は全て同じで自律神経の疲労です。
仕事で疲れた自律神経が、運動することでさらに疲れてしまいます。
運動することで、脳から快感物質がでるので気分がスッキリして、「疲労感」は軽減します。
運動すると気分はスッキリするけど、実際の体の疲労はどんどん溜まっているんだね…。
スタミナ食は逆効果?
肉、うなぎ…精がつくと言われている食品です。
しかし、肉やうなぎといった脂の乗ったコッテリした食材は、消化するために内臓に負担がかかり、余計に疲れてしまうのです。
昔は必要なエネルギーが足りていない栄養失調型の疲れも多かったため、スタミナ食は疲労回復につながっていたことも事実です。
ただ、現代において、昔のような栄養失調型の疲れはほぼないので、スタミナ食は疲れている時には逆効果になってしまいます。
科学的に証明された疲労対策は?
世の中で広く信じられている誤った疲労対策について確認しました。
最後に科学的に証明されている疲労対策について紹介します。
食事で疲労対策は可能なのか?
スタミナ食や栄養ドリンクでは、疲労対策ができていないことは分かりましたが、何か食事で疲労対策はできないのでしょうか?
本書で紹介されているのは、「イミダペプチド」という成分です。
イミダペプチドは、渡り鳥の羽の付け根に分布している成分で、渡り鳥が休憩も取らず長距離を飛び続けられる秘訣です。
イミダペプチドは、身体を疲れにくくさせ、疲れを回復しやすくしていることが科学的に証明されているそうです
※詳しくは、「隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体」をご参照ください。
では、何から「イミダペプチド」をとればいいのでしょうか?
手軽に入手できる食材で最もイミダペプチドを含んでいる食材 = 鶏のむね肉
1日の必要量=200mg (鶏肉100gほど)
コンビニに売っているサラダチキンが100gほどです。
これを2週間食べ続ければ、疲れに強い身体を作ることができます!
睡眠は疲れを回復する唯一の方法!
イミダペプチドが疲れに強い身体を作るために有効だとお伝えしましたが、疲れを回復させることはできません。
人間の身体では、常に疲労回復が行われているのですが、起きている時はその回復以上に身体が疲れてしまうので結局疲れは回復していません。
とても基本的なことですが、「質の良い睡眠をとること」
これが疲労回復に必要な唯一の方法です。
本書では「質のよい睡眠をとる」ための方法が紹介されています。
今回はその一部を紹介します。
眠りの質を下げるNG行為
- 寝るときにエアコンを消す
- ベッドでスマホ
- 寝る前の酒、コーヒー、タバコ
私はどうしても寝る前に、ベッドでスマホを見てしまいます。
眠りに良くないとわかってはいるのに…反省です。
- 寝るときにエアコンを消す
- エアコンを消すと、特に夏や冬は不快な温度で眠ることになってしまいます。
不快な温度だと、体温調節が必要になり、自律神経が活発に働く必要があります。
疲れを回復するために眠っているのに、自律神経が活発に働いてしまうと逆に疲れてしまいます。 - ベッドでスマホ
- スマホのブルーライトは覚醒作用があり、睡眠に悪影響を与えることはよく知られています。
さらに、暗い中で眩しいスマホを見るという行為が自律神経をさらに疲れさせています。
暗い中ではより光を取り込むために目の瞳孔が開きます。その状態で眩しいスマホを見ると光が多くなり、暗いのに強い光が取り込まれるという不自然な状態になります。
不自然な状態は自律神経を緊張させてしまいます。
自律神経が緊張している(交感神経優位)だと、中々眠りにつけなくなってしまいます。 - 寝る前の酒、コーヒー、たばこ
- お酒は睡眠の質を下げ、寝ても疲れが取れない可能性があります。
コーヒーに関しては、カフェインの覚醒作用のため眠りにいるのを妨げます。カフェインの覚醒効果は4〜5時間ほど持続するので、飲む時間も注意が必要です。
また、タバコに関してもカフェインと同様覚醒作用を持っているので、寝る2時間前からタバコは吸わないようにした方が良い睡眠を得やすくなります。
まとめ〜疲労を知って、疲労とうまく付き合おう!
いかがでしたでしょうか?
疲労について意外と知らなかったということが多かったのではないでしょうか?
疲れを取るための行動が、身体を疲れさせていただけだなんて!
毎日忙しい子育て世代はどうしても疲れは溜まりがちです。
正しい知識があれば、疲労を溜めすぎず付き合っていくこともできると思います。
本書の中には、今回紹介した内容がさらに詳しく解説されていますし、「疲れない仕事術」や「疲れない習慣」をつける方法も紹介されています。
今疲れているなぁと感じている方やハードな毎日を送っている方、確実に身体に疲れは溜まっています。
「隠れ疲労」を放置しないために、疲労について正しい知識をつけましょう。
その他のおすすめ本はこちら